アジア・モンテッソーリカンファレンス沖縄大会2026
先月の7月20日から7月22日までの3日間、『アジア・モンテッソーリカンファレンス沖縄大会2026』に出展者として参加をしてまいりました。
モンテッソーリ教育に関する大きなイベントに参加するのは初めてでしたし、沖縄に仕事で来るのも初めてでした。
今回の開催地は沖縄市コザ。普段リゾート目的で沖縄に来ていた私にとっては、初めて訪れた町でした。
コザはアメリカ統治下の歴史や多様な文化背景を持ち、米軍基地と共存した地域です。
そこには、国籍・言語・文化・宗教の違いを超えて様々な人々が共生しています。
今大会のテーマである『多様性から平和へ』を語るのにぴったりな場所であると感じました。
さて、初日の始まりです。
前日の設営が会場の予約の関係でできなかったため、当日の設営です。
会場であるミュージックタウン音市場に到着すると、既に他の出展者の方々は設営を始めていました。
全部で13団体ほどの出展者が、Blue Stageと呼ばれる講演会場のエントランス部分でブースを出し、バルタグラもその一角で教具の販売をしました。

同じAMIの認定教具であるNienhuisも出展をしており、バルタグラがGAMを扱うきっかけをくれたChrisさんも会場に来ていました。
オンラインでは何度か会っていましたが実際にお会いするのは初めてだったので、起業後の状況等近況報告をしました。
受付開始の8:30を回ると、参加者の先生方が会場にどっと入って来られました。
講演が行われている間は皆さん聴講をしているので、こういった講演が始まる前の時間や休憩時間が主に教具を販売できる時間です。
全体的に見ると、やはり低価格で荷物にならない商品が売れやすい印象でした。

午前中の講演で、どうしても聴講したい講演がありました。ふじようちえんの加藤積一先生の講演です。
加藤先生の講演で印象的だったのは、『幼児教育こそ、国をつくる力がある』という言葉。
『三つ子の魂百まで』と言いますが、まさにこの時期の教育を豊かにすることが、その後の子どもの人生に大きな影響を与えます。
日本全体で幼児教育の質を高めていけば、ひいてはそれが、元気で明るい日本につながっていくのではないでしょうか。
マリア・モンテッソーリが提唱した『世界平和』は、子どもたちの自立と内なる平和を育むことこそが、真の平和教育であり社会を変える基盤になるという考え方ですが、加藤先生は『世界幼稚園』を作ることが世界平和への一番の近道であると仰っていました。それは、幼少期から国境や人種関係なく仲良く過ごしていれば、その子たちが大人になっても戦争など起きないのではないかという考えです。
『夢物語に聞こえるかもしれないが、できると信じている』という言葉に共感するとともに、私もできることから世界平和に貢献したいと思った次第です。

午後から沖縄の園の視察ができたのですが、本業である販売に手いっぱいで参加をすることができませんでした。
初日はこれにてお仕事は終了です。
2日目はお目当ての講演が2つありました。
百枝義雄先生とあべようこ先生の講演です。
百枝先生は、モンテッソーリ ラ・パーチェという、モンテッソーリ教師の養成コースを開催しておられる方で、これまでの営業の際にも何度かお名前を聞いたことがありました。
講演のテーマは『平和はいつ始まるのか 乳児のモンテッソーリ教育における対話と共感』でした。
平和は、乳児と大人との関係の中にすでに始まっており、乳児期における大人と子どもの信頼関係、すなわち受容と共感に満ちた日常の対話から始まるとのお話がありました。
マリア・モンテッソーリも、「平和とは単なる戦争の不在ではなく、人間の精神の調和と発達によってもたらされるものであり、その構築はほかならぬ子どもたちから始まる」と説いています。
『相手へのリスペクト(敬意)と自己へのサスペクト(疑念) が無ければ対話は成り立たない』という言葉は、乳児だけではなく全ての人間関係に当てはまるのだと思います。
また、『子どもは自分を信じてもらうことによって、信じてくれた人を信じます。そして自分が信じられたことによって、自分を信じることができるのです』という言葉は、私自身の子育てにも非常に重要な指針となりますし、自分に自信がなく、SNS依存や自己評価の極端に低い若者を増やさないためにも大切な考え方ではないでしょうか。
続いてあべようこ先生の講演です。
あべようこ先生は、日本ではまだ少ない、小学生を対象とした『あきる野モンテッソーリスクール』を今年の4月に開校された方です。たまたま弊社の隣でブース出展をした企業の方と仲良くなり、その企業の方があべようこ先生とお知り合いとのことで、私も色々とお話をさせて頂きました。
講演のテーマは『多様性な選択肢を 日本でのモンテッソーリ小学校の必要性』で、ご自身が校長を務める『あきる野モンテッソーリスクール』での活動を交えてお話し頂きました。
特に印象に残った内容は、『乳児期から児童期の特徴や活動の違い』と『コズミック教育』についてです。
前者は内的秩序感から外的秩序感への移り変わりが印象的で、まさに今息子に起こっている現象と重なり、クスッとなりました。
後者は、宇宙の一部としての自分を認識し、地球人としての自分の使命を考えていくことにつなげていく教育なのですが、自信や目的意識を失っているように見える現代の若年層にこそ知ってほしい内容です。
最後にもう一点、『物語を語る』は、すぐにでも取り入れようと思ったトピックです。
これは全てを知りたい子ども達の想像力を刺激することを狙ったもので、例えば『りんご』を食後に食べている時に『りんごというのは日本では青森県や長野県で~』など、事物に関してのストーリーを同時に伝える方法です。これによって自分で考えたり調べたりといった知的好奇心が養われます。
午前中に2つの講演を聴講し、午後は本業の販売です。2日目はいくつもの教具を買って頂け、その中で改めて先生方の教具に対する興味と子ども達への愛情を感じることができました。先生方は教具を買うとき、よく『〇〇君、これ好きそう』や『この教具、〇〇ちゃんにさせてあげたい』などとコメントをしており、その教具を誰に使わせたいかを具体的に思い描いているのです。
普段から子ども達のことをよく観察していないとこういったコメントは出ないので、そんな先生方に見てもらっている子ども達は幸せだなと感じます。
2日目の夜は懇親会がありました。今回の大会で知り合った方々やもともと知り合いだった方々と、お酒を飲んだりお話をしたりと楽しい時間を過ごしました。
具志堅ファミリーの皆さんに歌って頂いた『三線の花』は圧巻で、沖縄で生演奏が聴けたことにとても感動しました。
今回お会いした大浅田敬子先生(日本モンテッソーリ教育総合研究所研究員)の絵本である『だいじょうぶやさんのだいじょうぶ』がとても素敵な内容だったので、ここで宣伝をさせて頂きます。大浅田先生は横浜で『幼児教室モンテ』も開いておられ、弊社の教具もご購入いただきました。
いよいよ最終日の3日目です。
聴講したい講演は1つ。伊藤あづさ先生の『すべての子どもにモンテッソーリを~身近な素材で作る手作り教材~』です。
あづさ先生は以前からのご縁でお会いするのは3度目でしたが、講演を聴くのは初めてでした。ともすれば値段の張る木製教具と100円ショップにも展開しているあづさ先生の教具とは対照的に見えるかもしれませんが、モンテッソーリ教育を広めたいという思いは同じです。配偶者の方と死別されご自身も息子さんと大変な日々を過ごされた中で、教育格差を無くすべく手作り教具を広めるに至った思いを聴き、胸に熱いものを感じました。講演後に話しかけると、『思いは一緒だから頑張ろうね』と優しい言葉をかけて頂きました。
3日目ともなると参加者の皆さんは既にブースにも何度も足を運ばれているため、購入される方は段々と減っていきます。人の波が途絶える時間があったので、崎原真弓さんが語る『命どぅ宝(ぬちどぅたから)』を聴講しました。
ご存じの通り、第二次世界大戦で住民を巻き込んだ大規模な地上戦を経験したのが沖縄です。幼いころから祖父母に戦争体験の話を聞いていたこともあり、戦争に対して『知りたい』という気持ちが強く、様々な媒体から情報を得てきました。崎原さんは『てぃーだ観光』という団体で沖縄の素晴らしさを伝えており、今回は『平和』をテーマに沖縄の戦争について語られました。
内容は割愛しますが、まるで戦争を体験したおばあが崎原さんに憑依したかのような語りに、しばらくの間涙が止まりませんでした。
戦争は二度と起こしてはいけない、という思いを再確認した次第です。
フライトの時間もあったので閉会式まで参加することはかないませんでしたが、本当に充実した濃厚な3泊4日を過ごすことができました。今後もこういった機会があればできる限り参加をし、モンテッソーリ教育に関する知見やネットワークを広げていきたいと思います。
このような素晴らしい大会を開いてくださった『アジア・モンテッソーリ協会』の皆様と『沖縄モンテッソーリ教育を学び合う会』の皆様にこの場を借りて感謝を申し上げます。
ありがとうございます。
素敵な賞状も頂き、大満足で帰路につきました。

